四月馬鹿

信号待ちをしていた。そういえば「今日、エイプリルフールだね」と君に言うと「あ、そうだね」と二人、顔を見合わせて少し沈黙したあと笑い合った。

お互い適切な嘘が思いつかなかったんだ。

あの時の私は確かに幸せだったし、確かに愛してた。

もう何年前の出来事かもわからないけれど。